ルートセールスをしていて大変なところ

営業マンとして活動していると色々なお客さんと遭遇することがある。この人はあまり利発そうではないし、どちらかといえば愚鈍かもしれないが、根は誠実そうだなと思ったお客さんがいたのだが、よくよくメシも奢って、話をしてみたら、わりかしと利己的で、悪知恵というか、猿知恵、浅知恵だけは働く半端者だということがわかった。

30も半ばの若い人ではあるが、どうにも若い人は冷めていて、やる気、元気に乏しいなどというけれど、それだけではなくて、この現実の世の中を渡っていくだけのズルさだけは兼ね備えている。

そういう人ももちろん世の中には必要ではあろうが、日本的な世渡りのうまさだけ身につけた小利口者ばかりに会社社会がなってしまったら、一体日本はどうなるのだろうかと訝しむ。

別のお客さんなどは、私よりも割と年はいっていたが、そちらはそちらで、実につまらない堅物であった。常に戦々恐々としていて、疑心暗鬼であり、また、「この忙しいのにアポを取ってきやがって!」という態度をたまに見せながら、忙しいフリをしたがる愚か者であった。

もちろん、自分が担当している日本人のお客さんというのは、今まで筆誅してきたようなつまらない輩ばかりではないのだが、どうしてもルート営業という性質もあるが、そういうくだらない人間に遭遇してしまう確率はゼロにはできない。また、その手の俗物とも付き合いを一切切るわけにはいかない。そこが営業マンの大変なところである。