思わず辟易としてしまうこと

タイで働きながら、日本人サラリーマン(駐在員の連中)と遭遇することが多い。彼らとの接触抜きにして仕事が成り立たないのだから仕方ないのだが、正直、彼らと接していて辟易させられることが頻繁にある。

彼らとの会話では、とりあえずゴルフ好きであることをアピールしておけば間違い無い。タイといえば夜遊びの方が有名であろうが、彼らと話をするときに無闇にそういう話題をふることはあまり宜しく無い。

ゴルフが好きで好きでたまらないという人格を演じておくことが一番無難だ。

と言いながら筆者はゴルフをやっておらぬし、転職後も上司からゴルフの誘いを何度も受けながら、えへへと言って笑って誤魔化しながら、ゴルフをやらない状態を続けている。

ゴルフは金がかかるのが一番の問題だった。現地採用の薄給の身でゴルフなどやろうものなら家計にどれだけのマイナスのインパクトがあるだろうか。

そんなことを考えるとゴルフはやらないに越した事は無い。それでまあ、日本人サラリーマンと会話をするときに、こちらがゴルフをやったことがなく、机上の知識で会話に入って行こうとすると不躾にこちらのサービス精神を否定するような輩もいるので厄介だ。

こっちは仕事であるからゴルフに興味を持っているフリをしながら、一生懸命会話に参加しようとしているのになと思う。

まあ、そのサラリーマン氏にとってみれば、「ゴルフをやったことも無いくせに知ったかぶりするな!」というところなのだろう。いやはや、日本人サラリーマンとの付き合いは面倒なのである。

それと、タイで働く日本人というと駐在員、現地採用問わず、「タイ化していない」ということが美徳とされてしまう。

ちょっとでも日本的なやり方からはずれた仕事の仕方とか、日本的サラリーマンのアウトプットからずれていたりすると、「あの人はタイ化した」などといって揶揄の対象になるらしい。

世界のレベルから見て日本の経済は凋落の一途を辿っているだろうが、狭い業界で働いていて、自分の仕事以外のことに興味を持たず、教養が殆ど無いサラリーマンにとっては、日本のやり方がすべてという認識を持っていたとしても強ち間違いではあるまい。

「日本人は優秀な民族だ」などという根拠のあまり無い考え方からどうしても脱却出来ないんだろうなと思う。そういう見識の浅い人間が高い金を支払われてタイに駐在出来ている。駐在員に対する怨嗟とやっかみが多分に含まれた考え方であることは十分に承知している。ただ、自分自身のことを一旦棚上げにしない限りは、物事というのは語れるものではあるまい。真実というものは多分に主観的であるし、いい加減なものだろう。