80バーツのぼったくりザクロジュースを買ってしまった

アソークで用事を済ませた後、スラサックにあるアパートに帰ろうとしたときだった。BTSもMRTもどちらも改札口前が激混みであった。切符を買うのにも長蛇の列が出来ていた。私は電車や地下鉄に乗るのを諦めてバスに乗ることにした。

ところが、バスの方も道路が渋滞して一向にバスが来る気色が無かった。

そういうわけで、意を決してアソークからチットロームまで歩くことにした。昔、タイを旅行者で来ていたときは割とよく散策したナーナーの辺りも歩く。この辺りは前と雰囲気が変わらないように見える。依然としてナーナーは多国籍で猥雑に見える。通りには怪しげなマッサージ屋もあった。店の前には複数人のあまり美人にも見えない年増の化粧の濃い女達が座りながら、「マッサー、マッサー」と呼び込みしていた。誰が行くんだろうか、あんな店と思ったが、需要があるからこそああいう商売も成り立つんだろうなと思った。男性であれば若くて万人受けするような美人ばかりが好きとは限らず、たまには一般の趣向を外れた珍味を味わってみたい瞬間があるということだろう。

汗だくになりながら、プルーンチット、チットロームとスクンビット通り沿いを歩いた。喉も乾いたので、ザクロジュース売りの屋台があって、そこでついついザクロジュースを買ってしまった。

大小のサイズのジュースがあって、大きい方のジュースが最初50バーツだと聞いたつもりだったが、金を払うときになって、「80バーツ」だと屋台の店主は言い張る。

おまけに、店主はジュースの栓を開けながら言うものだから、客としては80バーツの値段を受け入れるしかない。全く、気分が悪くなるぼったくりであった。

バンコクでも観光エリアだったら屋台でもぼったくりに遭遇するのはよくあることなので私はまず屋台では買い物しないのだが、久しぶりにザクロジュースを見てついつい買ってしまった。気が緩んでいた。ザクロジュース自体はうまかったが、あれに80バーツも出すのはどうかしている。値段とサービス、商品の価値がつりあっていない典型的な例である。

そんなことを考えつつ、ビッグシー前のバス停留所でバスを待って、やっとこさ来たエアコンバスに乗って家路についた。