現職の社長から、
「(仕事は)ボランティアじゃないんだからな」
と言われた。
これはどういうことだろうか。いや、言わんとしていることはわかる。会社は営利活動をするために存在している。あなたは給料分の仕事をしているのか、否か、云云かんぬん。
従業員を信頼して任せることが出来るだけの器量をもった経営者というものはあまりいないものらしい。ついつい自分のビジネススキルと、部下のスキルを比較して、「俺だったらもっとやれるのに!何でこいつはこれだけの動きしか出来ないのか!」というところかもしれない。
それだったら、手前でやれよ、従業員など雇うなよという話なんだがな。
ボランティアじゃないんだからな!などと言われ(ほかにも色々言われたわけだが)、結局のところ、これは持論なのだが、そうやって部下に嫌味を言ってみたところで、反感を買うだけで、面従腹背の部下を量産するだけじゃないかと思った。
あと、「ボランティアじゃないんだからな!」という言葉についてだが、これって、ボランティア活動を一段も二段も下に見ていると思う。
社長にとっては金を稼ぐ仕事が何よりも大切なんだろう。教養が無い、学が無い人間だなと思った。社長は仕事に関する事柄についてはよく勉強しているし、幅広い知識も持っていて、そういう面では尊敬出来るのだが、いかんせん、ちょっとした彼の言葉の端々から、醜悪で低劣な人間性が明るみに出て来る。
これも修行の一つとして捉えてはいる。ある面では尊敬出来たとしても、ほかの面ではどうしても受け入れられない醜悪さに直面したときに、それでも社長だから逆らえないというジレンマがある。中小企業ではあるが法令遵守という観点からは全きホワイト企業であり、誰からも後ろ指をさされることは無いだろう。
それでも、こうやって心の中で葛藤があるのだった。