ベトナムでの生活でよくバスを利用する。ハノイでのバスの最低料金は7,000ドンである。ホーチミンのバスの方が安いが、ハノイのバスの室内は清潔で、バスの車体そのものも新しいものが多い。ホーチミンで走っているあの緑色のバスは大抵がオンボロだ。エアコンの効きが悪かったりもする。そういう観点からすると、ハノイのバスのほうが断然良いなと思う。
また、ハノイのバスの停留所というのはきちんと停留所の標識が歩道にたててあるので分かりやすい。ホーチミンだと標識があるところと無いところがある。地元民はおそらく標識が無くても問題なく利用出来ているのだろうが、ホーチミンの初心者にとっては分かりにくいだろう。
そんなわけで私はバスをよく使うのであるが、先日、ロンビエンから18番のバスに乗ったらとんでもないおばさんに遭遇した。
バス停でバスを待っていてやっとこさバスが到着し、バスに乗り込んだ際に、私の背後から我れ先にと荷物を抱えたおばさんが走り込んで来た。私に軽くぶつかりながら、そのおばさんは最後列の座席を確保したのであった。
そこまでは世界共通にオバタリアン的な現象として眺めていられるのだが、問題はその後であった。
おばさんはバスを降りるとき、荷物で両手がふさがっているので降車のブザーを押すことが出来ない。
そのとき、あろうことか、おばさんは座席に座っていたベトナム人の若い男性に、顎をしゃくるような仕草をしながら、降車ブザーを押させたのであった。
何と言うか、ベトナム人女性の強さを見たような思いがした。