ホーチミンで過ごすテトは暇過ぎた

金が無かったので国外に脱出出来なかったこともあり、仕方なくテト期間中はホーチミンにずっといることにした。

始めは何とかなるだろうと思っていたが、実際のところ、閉店になる店が多かった。

さすがにコンビニは空いているが、本当、まともに食料を調達できる店が限られて来る。

馴染のローカルコーヒー屋も閉まってしまい、ハイランズコーヒーまで閉店になっていた。

家にずっといることにしたが、なぜかネットのつながりも悪かった。ベトナムでは書籍も手に入りにくいこともあって、暇つぶしのネットが断たれるといよいよ何もすることが無くなる。狭いアパートの部屋の中で呆然とするしかない。

何もすることが無さ過ぎて、7区の韓国人街まで行き、健全なマッサージ屋に行ってみた。大晦日も元旦もなぜかその店はオープンしていた。ところが、行った日はどのマッサージ師も下手糞であった。揉まれてから身体がすぐに痛くなってしまった。何のためにマッサージ屋に行ったのかは分からない。

とはいえ、ずっと部屋にいるよりはマシだっただろうか。7区に行くときはいつも路線バスに乗るので、車窓から見える景色が楽しみであった。ホーチミンのローカルの風景がそこにはある。大気汚染が凄まじいので実際にそこに暮らすのはちょっと躊躇うが、バスの窓からそうした風景を眺めるのは楽しい。

以前、私が暮らしていたタイの風景と、ベトナムの風景をくらべて、似ているところと違っているところを頭の中で比較・検討してみる。似ているが違うところもあるよなあなどとぼんやり考える。ベトナムに来て思い知ったのは、自分が想像していたよりも「アジアは広い」ということであった。

タイをある程度知ったことでアジアについて大抵は把握したなどと、ベトナムに来る前は烏滸がましくも思っていたが、それはとんだ間違えであった。ベトナムを把握するだけでも数年以上の月日をまた要するかもしれない。