ホーチミンの土曜日の朝

一週間の仕事が終わり、土曜日の朝ほど幸せを感じる瞬間は無かった。朝起きてゆっくりと風呂に浸かる。幸いにもいまのサービスアパートメントには小さいながらもバスタブがついていた。風呂につかって、頭にシャワーのお湯を浴びせながら、しばらくぼーっとしていた。

アパートを出てから、レタントン通りにあるフォーの店に行った。そこは朝の6時から営業している。

どの店員も愛想が無かったが、フォーの味はよかった。しかし、スモールサイズのフォーが65000ドンもする。日本円にしてみればたいしたことは無いかもしれないが、たぶん、現地のローカル価格からしたら相当高い値段なのだろう。まだベトナムに来てそれほど長い年月が過ぎていないので、ローカルの値段と外国人向けの値段の差がよくわからない。

アパートに帰ってからアパートの一階にある小さな近所の人たち向けのカフェでアイスコーヒーを頼んで部屋に持ち帰ってきた。料金は18000ドンだった。最初、英語でエイティーというから8000ドンだと勘違いした。随分安いなとおもったが。実際はエイティーンの間違いであった。

まあ、8000だとしたら、エイトサウザンドか。まあ、よしとしよう。

こうしてベトナムに来て、コーヒーでも飲みながらアパートの一室でコツコツとパソコンを叩いていると、ああ、やはりベトナムに来て良かったのだなと実感する。

もちろん、日本と比較してしまえばベトナムは不便なことだらけだった。とはいえ、人間が生きていく上で、多少の不便というのは気にならないものだろう。

それから、人間は極限状態に置かれれば、泥をかじってでも生きていけるものである。