体育会系じゃない会社で働きたい

非体育会系の人間にとって、体育会系の会社ほど居心地の悪いものはない。ところが、日本の会社というのは実にこの体育会系というのが多い。

筆者はもともと非体育会系の人間だった。人付き合い、世渡り、ゴマすり、腹芸、根回しなどなど、伝統的な日本的コミュニケーションが苦手であった。

普通は学校教育を通じて、体育会系的なコミュニケーションを多くの人は学ぶだろう。学校という集団を通して、部活動などに従事しながら体育会の思想を体で学ぶはず。人によっては犯罪者予備軍のような集団に身を置きながら、そこでも体育会的な組織運営の手法を体得するわけである。

私はそういう体育会的な思想を大いに忌み嫌って、高校はさっさと一年で退学してしまったし、それ以来、徹底的に個の思想に立脚し、集団や組織の力を是とするよくある日本的な会社的価値観を批判的な眼で眺めてきた。

若い頃に営業会社に身を置くなどして、主体的に(ブラックな営業会社しかそのとき就職口が無かっただけだが)体育会的な人付き合いを学んだこともあった。毎朝、社訓の絶叫があるのは序の口である。社会の底辺を生きてきたようなチンピラが社内には大勢いた。そういう人々に限って世渡りは上手で面白い人間が多かったのも事実だ。

しかしながら、あれからそれなりに十数年の年月が経過してしまうと、ああやはり、自分は体育会の考え方は本質的に好きではないのだなということに気付いてしまった。